キャンプ用の自作ポタ―ブルバッテリーのバッテリーモニターにVAC8610Fを使ってみたので記録しておきます。
このバッテリーモニターは高性能ですが、購入時にマニュアル類が一切付属しません。
日本語での解説もほとんどないので、使ってみて分かったことを公開します。
VAC8610Fを選んだ理由
自作ポータブルバッテリーには電圧計などのモニターが必須になります。 ただ、電圧表示するだけだと、消費電力や充電状態、残りの稼働時間などが分かりません。 よって、ある程度高性能なバッテリーモニターをお勧めします。
バッテリーモニターは大きく分けると、有線接続かbluetooth接続になります。有線だと、ワイヤーの長さでLCDモニター設置場所が限られますし、配線がゴチャゴチャになってしまいます。
また、Bluetooth接続も便利ですが、スマホが必須になるため、やや使い勝手が悪くなります。
そこで、面白いバッテリーモニターを見つけました。 VAC8610Fです。
NRF24L01 2.4GHz モジュール を使って通信するLCD付きのバッテリーモニターです。
例えば、車の後部にバッテリーを設置して運転席でバッテリーの監視が可能になります。
電源はLCDの電源は12vまたは5V(USB タイプB)が使えます。 スマホ用のモバイルバッテリーでも運用可能です。(機種によっては低電流でカットされます)
バッテリモニター本体にもUSB端子があるので、遠隔で使用しない場合はこちらに接続してもOKです。
また、電流計測は大きく分けるとシャント式とホール式になります。
このVAC8610Fの電流計測方式はホール式です。
ホール式
- メリット 穴にコードを通すだけで計測可能、配線が簡単
- デメリット シャント式に比べて高価
シャント式
- メリット 安価
- デメリット 配線にシャント抵抗をつないで計測するため、発熱、電力消費あり。 配線が多くなる。
消費電力や配線の簡素化などを考えると、少し高くても電流計測はホール式をお勧めします。
マニュアルが付属しない商品
冒頭にも紹介しましたが、このモニターのはマニュアルが付属しません。販売者に問い合わせると「販売ページに接続方法と使用方法があるので確認してほしい」との回答ですが、詳しい説明はありません。
基本的な接続方法です。
1は使用ようする機材の電圧が8v以上、100v以下の場合の接続です。 2は8v以下、100v以上の時に別電源を用意しろとのこと。
3,4はリレーを使った接続です。 3は充電リレー式で設定以上の入力電圧、入力電流が流れた時にリレーが動作する仕組みです。
4はバッテリーの低電圧時や遠隔操作で接続機器の電源を遮断できます。 4は意外と使えるかもしれません。
一般的な自作のポータブル電源であれば、1または4になります。
放電リレーはいろいろと使えそうですが、待機電力が2w程度あるので1が無難かと思います。
モニターの表示、設定
VAC8610Fを実際に接続して試しながら調べてみました。
間違があれば、ご指摘くださるとありがたいです。
- LCK: キーロック
- BAT: バッテリー容量AH
- CON: 充電リレーのON,OFF
- OUT: 放電リレーのON、OFF
- BPC: 現在のバッテリの残量%設定(満充電にして100)
- CER: 無負荷状態で使用電流を0に設定
- STR: 不明
- NCP: 最大充電電流
- OCP: 最大放電電流
- SFH: モニターの電波検索
- FCH: モニターのチャンネル設定(複数台で使う場合使用か)
- OVP: 高電圧保護、指定した電圧以上になるとアラーム
- LVP: 低電圧保護、指定した電圧以下になるとアラーム(接続4の場合はリレーで遮断)
- STV: 復帰電圧
- BWH: バッテリー容量wh 例:100AHなら1280wh
- DEL: リレーが動作するまでの時間 動作しませんでした。
- TTL:電源投入時にリレーをONまたはOFF
- STI: 設定した放電電流以下になるとTMEの時間でLCDが消灯
- TME: STIで設定した放電電流以下なってからのLCDモニターの消灯時間
- HUM: モニターの色変更(再起動が必要)
- LAG: 表示を英語または中国語に変更
- OTP: 連続放電時間
- RSH: バッテリーの監視の時間間隔
- MOD: リレーのモード設定
最低限の設定は赤字の設定で良いと思います。
VAC8610Fを起動してみる
手元にリレーもあるので、4で接続してみます。
安定化電源で入電してみます。表示はほぼ正確のようです。
リレーも試してみました。
OUT: 放電リレーのON、OFF
LCDモニターの0Kボタン(真ん中)を押すとリレーが動作して接続機器の電源のON、OFFができました。 また、低電圧時にはリレーがOFFになりました。
ただし、常時2wの消費電力は痛い。
「中華製品のハンダはヤバい」のが定説化しているので、確認してみました。
動作電源の足が浮いていますwww ハンダを盛りなおしておきました。
その他は問題ありませんでした。
待機電力は0.4w程度です。 正確ではありませんが、かなり省電力です。
充電中の挙動
充電中は、電流と充電時間が表示されます。また、充電率に応じて電池の図柄が点滅します。
モニターケースとバッテリーを内蔵してみた
3Dプリンタを使って、モニターのケースを作ってみました。
ついでに、バッテリーを内蔵して完全独立型になりました。
【3Dプリンタ】自作ポータブル電源のバッテリーモニターを作ってみる
VAC8610Fまとめ
VAC8610Fは高性能です。 シンプルにバッテリー残量だけ見れば良いのかもしれませんが、グラフィカルなモニターは機械っぽい雰囲気がでます。
※この解説は個人的解釈によるものなので、間違いがあれば指摘してもらえると助かります。
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